岡山 BAR SEVENじゃがな

岡山でバーやってます

5月だけど特に無い

ゴールデンウイークも終わり静かすぎる日々に戻っています。

当店では珍しいアメリカからの旅行者の対応や、香港から来たご夫婦に食前食後と1日に2回も来ていただき、ジントニックが凄く美味しいと褒めていただきました。昔から自分の作るジントニックは美味しいとよく言っていただけるのですが、材料も普通で特に変わったことはしていません。強いて言えば30年積み上げた腕前ですかね?

かたや帰省組は多かったものの、今年のゴールデンウイークは日本人の旅行客はゼロでした。令和の米騒動っていうぐらいだから節約してるんでしょうか?近安短。

 

プライベートはゴールデンウイークといってもほとんど休んでいないし、50年も生きていればどこもかしこも行ったことあるし、人混み嫌いだし、特にやりたい事も無く、相も変わらず犬と過ごしていました。

釣りに出掛けたら魚にビビるコーギー

 

尋常ではないコーギーの足の短さ

 

先日の日曜日は県立美術館のベルエポック企画展に行ってきました。ベルエポックとはフランス語で「美しき時代」の意味。1900年前後、ガス灯の普及とともに夜遊びが出来るようになり、パリ北部のモンマルトルに洒落者や画家が集まり、夜な夜な飲んで踊って遊んでいた華やかな時代です。パリに行ったことのある方ならキャバレー「ムーランルージュ」に行ったことある人も多いのではないでしょうか。

モンマルトルには2012年のちょうど今ごろに行きました。、

スコットランドに1週間滞在してパリに移動した旅行の時です。当時はスコットランドの事しか考えてなくて、パリの事はほとんど下調べしてなかったため、ムーランルージュにもオペラ座にもカタコンブにも行ってません。それでもモンサンミッシェルも奇麗だったし、ワイナリー巡りもできたし、パリは人も優しく楽しかったのでまた行きたいけど、ジジイになるとフットワークが重くなって海外どころか、もはや近所に釣りに行くのもメンドクサイ。年寄りがやたらと花を見に行ったり、野菜を育てたり、足繫く美術館や博物館に行く理由がなんとなく理解できてきた今日このごろ。心も体も衰えてきたら身近な楽しみを見つけることや、何気ないことを楽しめるように教養を身に付けることがとても大事です。

 

もうひとつ、5月の大きなイベントと言えば娘ちゃんが20歳になりました。誕生日プレゼントは何が欲しい?と尋ねても、まったく物欲の無い娘ちゃんはファッションには興味が無いし、ゲームやビデオはサブスクで事足りているし、たまに漫画を買う程度。恵まれ過ぎた環境で育ったせいか、20年間、毎月のお小遣いもあげたことがありません。家族会議の結果、学校で使うパソコンを買い換えました。必要条件はWindowsPCで、送られてきたテキストにペンで書き込みが出来るものが良いと言うので、厳選した結果Chuwi Hi10 Maxを買ってあげました。

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2in1のペン対応PCとしては圧倒的に激安です(キーボードとペンは別売り)。激安でも質感良いし、特にディスプレイがメッチャ奇麗です。理想としては軽くて高性能なSurface Proを買ってあげれば良いのですが20万円もするので無理。安いPCでもCPUにN100が載っていれば、動画見たりoffice程度の作業なら普通に使えます。難点は重くも無いけど軽くないこと。手に持つとまあまあズッシリ感があります。

 

20歳になったので、まずは家でビール、ワイン、ウイスキーと飲ませてみたのですが、赤ワインはまあまあイケるようです。ピノノワールメルローと飲ませたので次はカベルネソーヴィニヨンですね。どこかワインが飲める店に食べに行こうかな?

 

スパゲッティ進化論

昔、何度か行ったことのあるレストランが5月いっぱいで閉店すると聞いたので数年ぶりに行ってきました。

レストランと書いたのは、この店はフランス料理とイタリア料理がごっちゃにラインナップされている欧風料理店というスタイル。今ではフレンチならフレンチ、イタリアンならイタリアンと本格的に特化した店がほとんどですが、欧風料理は1990年代によくあったスタイルです。懐かしい。

前菜プレートはかまぼこの様なテリーヌ(懐かしい!)に、レタスにビネガーソース(昔はランチのサラダといえばこればっか)に、チキンナゲット(?)、カツオのたたきのマリネソース(!)と、どこの国の料理と限定することなく、まさに The 90sな感じ。

メインは僕はワタリガニのトマトクリームパスタ、嫁は牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、娘ちゃんは鶏モモ肉のソテーと、フレンチとイタリアン混合で、まさに欧風。自家製パンもイイ感じ。どの料理もスペシャリティーな今風ではないものの、ストライクど真ん中の大衆的味わいで、久しぶりにこういうの食べたなぁって懐かしさがこみ上げてきて、感慨深い楽しいランチでした。

 

1970年代ごろ、フランスやイタリアで修行をしてきたシェフたちが帰国して店を開き、ようやく日本でも本格的な西洋料理が食べられるようになり、情報ツウなグルマン達はこぞって通っていました。

1980年代に入り、日本が豊かになり庶民でもちょっと贅沢な外食が出来るようになったころに問題が起こります。庶民には本格的な料理が口に合わない。店が提供したい物とお客が求める物の乖離が起こり、本格派と貫き通すシェフもいれば、多くのシェフは大衆へ迎合しました。「パンにしますか?ライスにしますか?」と聞かれ、フォークの背にライスをのせて食べるという日本ならではのマナーが存在したのが1980年代。

そして1990年代はローカライズされた欧風料理店の全盛期。さすがにライスを提供する店はほぼ絶滅したものの、ハインツなどの充実した業務用食材を駆使して安く美味しく、そこそこお洒落な欧風料理店がたくさんあり若者がお洒落して出掛けてデートで利用していました。

2000年以降は本場で修行なんて当たり前、再び本格的なお店が増えてきた時代。と同時にローカライズがさらに進化して、イタリア人が見たらビックリするような店が出現します。女性はたらこクリームパスタと半熟卵のカルボナーラ、男性は300gオーバーの大盛スパゲティ専門店へと分化しています。フランス料理は現在では本格的な店しかほぼ見ない状況ですね。

 

ちょうど最近、前々から気になっていた大盛スパゲティ専門店に初めて行きました。店の前に近づくと換気扇からは強烈なニンニクの香り。スパゲッティと言ってもやっていることはほぼラーメン屋の技法で、実際この店は岡山のラーメンストリートと呼ばれる通り沿いにあります。券売機でチケット買って席に座って待つ。周りのお客さんはスパゲッティを箸でズルズル啜っています。出てきたチキンカツミートスパゲッティは部活帰りの中学生が喜ぶような子供の味。これはこれで美味しくて、鉄板焼ナポリタンを食べに2回目も行きました。機会があればイタリア人を連れて行って反応を見てみたい。

このような歴史を踏んで日本ならではの魔改造によって独自進化を遂げたジャパニーズ欧風料理。海外旅行で変な日本料理食べたwwwって笑ってる人いるけど、お互い様ですよ。

前述のP'sガーデンさんは90s欧風料理店として岡山では最終世代のお店ではないでしょうか?おじさんおばさんは青春時代を思い出しながら、若い世代は先人たちが色々と苦労してきて今があるんだなぁと思いを馳せながら食べに行ってみてください。

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スマートな お会計の作法

今日から新年度。ニュースでは入社式が取り上げられていて、希望に胸を膨らませた新社会人の姿が初々しく写されています。明日からは今までニコニコしていた先輩や上司から激詰めされるかもしれん。1年目は何かと大変ですから心を病まないよう頑張ってください。

 

社会人ともなると飲食店に出掛ける機会も増えると思います。今回はそんな時にスマートに振舞うためのお会計の作法をプロ目線から伝授します。何も難しくありませんが、ハッキリ言ってほとんどの人が出来ていない。これが出来るだけで「この人、場慣れしてるな」と思われるのでぜひ覚えておいてください。

 

1.お会計してほしい旨を伝える

「お会計してください」「お愛想お願いします」「チェックしてください」

「本来、お愛想っていうのはね、うんたらかんたら」なんてウンチクもありますが、店側はどんな言い方であれ何にも気にしていません。何でも良いです。ここでやってはいけないのはノールックスミマセン。大声でスミマセ~ン!って店員を呼ぶのは絶対に駄目です。日本の安い居酒屋なら許されがちですが、とくに欧米圏でこれをやると「んだよ!失礼なF〇ckin' Japがよ~!」って睨まれて無視されることがあります。駄菓子屋で奥に引っ込んでいるおばちゃんを呼ぶ小学生じゃないんだから、大人であれば相手の都合も考えずに呼びつけるのは非常に失礼な行動なので絶対にやめましょう。会計時だけでなく全てのシチュエーションにおいて、店員に用事があるときはアイコンタクトとジェスチャーが基本です。忙しい時は多少待つのも大人の作法です。

 

2.立ち上がってウロウロしない

定食屋やラーメン屋はともかく、お酒を出すような店であればテーブルチェックが基本です。自分が経験する限り「会計はレジでお願いします」と言われたことは50年間で1回か2回です。ホテルや高級店なら100%テーブルチェックです。高級な個人店ではそもそもレジなんて無い場合がほとんどです。会計の旨を伝えたら財布を用意して座って待っておきましょう。お釣りを財布にしまうまで立ち上がらないこと。なぜか立ってお釣りを受け取って、うっかりジャラジャラ床に落としてしまう人が稀にいます。立つ意味ある?無いよね。

 

3.お金の渡し方

店によって会計を提示した後、店員がその場で待っている場合と、いったん居なくなる場合があります。海外ではたいてい居なくなりますが、その場合はテーブルの端の分かりやすい位置にトレーを置いておけば店員が取りに来ます。海外の高級店だとトレーではなくてこのパターンもあります。

画像のとおり現金なりカードなりを挟んで、同じくテーブルの端においておけば取りに来てくれます。海外に行くときは覚えておくと捗ります。

 

4.退出

お釣りやカードの明細を受け取ったら財布に仕舞い、ここで初めて立ち上がってコートと荷物を持って退出です。とにかく立ってウロウロしないこと。

 

簡単で些細なことですが、店員はお会計のスマートさで場慣れしているかどうか分かってしまいます。日頃からそれなりの場所に出入りしている人は立ち上がってウロウロすることはまずありません。とにかく立つな。意味無いから立つな。スマートなお会計を覚えて新しい社会人生活をエンジョイしてください。

 

【告知】

今、インフレータブルカヤックを売りに出しています。ようやく暖かくなってカヤックはこれからがシーズン本番です。ご興味ある方はぜひ連絡ください。