岡山 BAR SEVENじゃがな

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フィリピン雑感

実際に行ってみてフィリピンについて感じたことを書きます
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まず心配だったのは治安でした

昔からマニラは治安が悪いと言われていましたが、実際来てみると心配は杞憂でした。マニラの治安について色々なメディアで言われているのは「数年前までは…」という言葉。「数年前まではこのエリアは危なかった」「数年前まではここら辺はホームレスだらけで」などなど。
やはり2016年のドゥテルテ大統領就任以降、フィリピンの治安は目覚ましく改善したようです。なにで就任半年で6000人以上の犯罪者を処分したそうですから。ダバオ市長時代から合わせると、おそらく数万人の犯罪所を処分、その数倍を逮捕していることでしょう。人権団体などから批判の声はありましたが、治安がいっぺんに改善し、結果国民から絶大な支持を受けました。
2022年にマルコス Jr.に大統領が変わりました。20年間にも渡り権力を握り、優秀だけど終盤に色々と問題があったマルコス大統領の息子です。選挙中は危惧する声もありましたが、ドゥテルテ前大統領と真逆のインテリで温厚な性格で、今のところ上手くいっているみたいです。70年間ほぼ一党独裁国家に住む者から見ると結構うらやましい。

歓楽街のマラテ周辺などは、今でも猛禽類みたいな目をした客引きやポケットに手を入れてくるようなストリートチルドレンが多いようですが、少なくともマカティ中心は夜に歩いていても何の危険も感じません。日本と変わりません。飲み屋街のポブラシオンは日が暮れると売春婦や客引きが多少いるので気を付けるに越したことはありませんが、そういう人に関わらなければ普通に楽しく遊べる感じです。調子に乗って羽目を外しているとトラブルに巻き込まれるのは日本の飲み屋街でも一緒。普通に食べて飲んでいる分には至って普通でした。よっぽど大阪の宗右衛門町のほうが危ないと感じました。
中心部のレジデンスは奇麗に保たれている


フィリピン人はとてもフレンドリー

基本的に陽気で呑気でコミュニケーションが好きな人が多いと感じました。仕事しながら鼻歌歌っている人をあちこちでたくさん見かけました。日本人もこれぐらい呑気に仕事すれば良いのに。微笑みの国と言われるタイよりもよっぽどニコニコノンビリしています。言うほどタイ人笑わないし、ぶっきらぼうだし。
フィリピン滞在中、買い物していてもレストランでもバーでもタクシーでも、よく話しかけられました。もっと英語ができればもっとフィリピンが楽しめるのになぁと強く思いました。10年前にスコットランドによく行ってた時は、自分から話しかけるほど立ち話英語ぐらいなら話せていましが、リスニングもスピーキングもすっかりがた落ちです。

今後の岡山とフィリピン

街を見て驚いたのは物やサービスの供給量。マニラ市内には至る所に巨大なモールがあり、ハイブランドからファストファッション、生活用品、食料品、グローバルブランドのレストランやカフェ、フードコートなどなど、それはそれは物凄い供給量です。そしてストリートマーケットも目がくらむような物量です。すなわち、それだけの需要があるということです。伸びしろと経済成長の勢いを物凄く実感しました。
パシグ川の向こうはマンダルヨンというエリア。マカティやBGCへの通勤、通学する人が多く住んでいるようです。まだまだ絶賛発展中の街ですが、すでにウルフギャング(高級ステーキハウス)があるのが驚き。購買力の高さが伺えます。

先日のベトナム統計総局の発表では、訪ベトナム外国人観光客の消費額は欧米諸国を差し置いてフィリピン人が最多だったそう。
旅行前にニュースを見て意外だなぁと思ったけど、行って納得。マニラは貧富の差も相当なものですが、都市部中心で暮らしている人の金持ちぶり、購買力はもの凄いです。レストランはどこも程よく客が入っているし、飛行機やモールで見かけるフィリピン人はブランド品を持っている人が多いです。こっちは上から下までユニクロとワークマンなんですけど…。富裕層から中流層の一人当たりの購買力はかなり高そうです。

車を見ればその都市の経済状況がよく分かります。オンボロ車も多いけどベンツやBMWなど高級車もかなりたくさん走っていました。驚いたのはロールスロイスSUVがホテルの前を走ってたこと。日本で買っても諸々で5000万円の車です。おそらくSUVを買うってことはロールスロイスのセダンもすでに買っているということでしょう。最初のフェラーリはやっぱり赤を買うみたいなもんです。

今、岡山ではタイ直行便の誘致をしているそうです。たしかにバンコクも発展しているしインバウンドはそれなりに見込めそうですが、岡山県人はホントに海外旅行行かないしアウトバウンドはたいして見込めそうにありません。グアム便が無くなるぐらいですからね。在日タイ人は少ないし、座席を埋めるのは大変そうです。

フィリピンは上記のとおり購買力が高いし、英語が話せるのでどこに行っても困ることが無いので旅行に対してアクティブだし、インバウンドは充分見込めそうです。アウトバウンドも旅行目的は少ないでしょうが、当店のお客さんにもビジネス目的でマニラに行く人は多いし、在日フィリピン人はたくさんいるし家族愛が強いので頻繁に帰省します。今回の関空-マニラ便の乗客も約8割はフィリピン人でした。そう考えるとアウトバウンドもそれなりに見込めそうです。

しかも岡山空港は立地が抜群なので、往復航空券を最安値で4万円台に抑えることが出来れば、東は神戸から西は広島、北は山陰から四国までがターゲットエリアです。神戸牛を食べて京都に行くフィリピン人や、瀬戸内海周辺を周遊して宮島で映える写真が撮りたいフィリピン人、お土産を持って帰省するフィリピン人が広大なエリアで狙えます。

岡山県庁の担当課や関係各所の方、地図を見て経済状況をしっかり調べて、じっくり考えたらマニラ便の重要性をご理解いただけるはず。周辺地域も含めてインもアウトも席は充分に埋まるでしょう。対フィリピンにODAを出資する期間はすでに終え、今は回収する時期に来ています。今後のさらなるフィリピンの発展を考えればビジネス利用の需要はますます高まるでしょう。

日本とは真逆で若者が多すぎて、大学を卒業してもなかなか良い仕事に就けないフィリピン人は多いそうで、優秀な人材はたくさん余っています。現状の奴隷同然の技能実習制度には全くもって反対だけど、キチンと雇用すればたくさんいる若いフィリピン人は高齢化している今の日本の助けになるはず。

インバウンド需要ばかり見て台湾とかバンコクとか飛ばす前に、しっかりとビジネス利用まで視野に入れて、岡山-マニラ便を早急に誘致するべきです。
なにより岡山-マニラ便が就航すれば息子にすぐに会いに行けるので僕が助かります。そうなれば年3,4回は乗るからさぁ。息子も年1で帰ってくるし。何とかご検討いただけませんかね?