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世界に誇る日本の技術 ボールペン

 最近、日本ダメダメ論がよく言われるようになりました。個人的には「今になって言うかね…」という感想です。とは言え、確かに色々と問題は多いですが物事は多角的に見なければいけません。政治とサステナビリティ以外は世界と比べてもなにかと優れたところだらけ。世界第3位の経済大国日本は素晴らしい国です。特に精密加工技術では世界のトップランナーです。

日本が世界に誇る技術はボールペンです。正確には先っぽのボール。
お近くにボールペンがあればじっくり観察してください。ペン先は口金の先に小さは金属のボールが入っています。この小さなボールを高い精度で作る技術が凄いのです。日頃何気なく使っているボールペンって、金属同士がストレスなく転がり正確な量のインクを放出するために、物凄く高い精度で作られている高度な精密機器なのです。

中国では当時の李克強総理が国営放送で「中国製のボールペンは粗悪で使い物にならない」と嘆いたことを発端に国産ボールペン製造への飽くなき挑戦が始まりました。有人ロケットを宇宙まで飛ばし、iPhoneやドローンを製造できる技術がありながら精密加工技術の分野では日本、スイス、ドイツなどの国に遅れを取っていたのです。ボールペンの組み立ては中国で行っていてもペン先は輸入に頼らざる負えない状況。口金の製造機械はスイス製、ボールは日本が大きなシェアを持っているのです。鋼材の配合や設計・製造方法を試行錯誤を繰り返すことなんと5年もの歳月をかけてようやく2017年に胸を張って高品質を誇れるオール中国製ボールペンの開発に成功したのだとか。何事もスピード勝負の中国で5年って長い長い道のりです。

何で国家の威信を掛けて、そんなに躍起になってボールペンを作ったかというと製造・加工精度の向上が目的で、これから色々な精密機器の分野でも中国が台頭してくるでしょう。事実、今では中国の製造精度は飛躍的に上がってきています。日本もうかうかしてはいられません。

ちなみにボールペン用のボール製造で世界シェアの3割、国内ではなんと9割のシェアを誇るのは㈱ツバキ・ナカシマのグループ企業である我ら岡山の勝田郡の椿鋼球㈱なのだそうです。

制度の高いボールを使ったベアリングの分野でも日本は高いシェアを誇ります。ベアリングは自動車や自転車、ドローン、モーターなど、ありとあらゆる機械に使われています。自転車が趣味の方なら体感していると思いますが、ハブのベアリングやBBのベアリングが違うとペダルを漕いだとき軽さや気持ち良さ、長距離を走ったときの疲れが全然違います。
釣りに使われるリールでも、ベアリングも組み立ても精度の高い高級機は汎用品と比べて巻心地も飛びも全てが別次元です。リールでは世界的にシマノとダイワが圧倒的に評価されていて、その他のメーカーとは別次元の扱いです。

今年も新たに1機追加購入した愛機ダイワ タトゥーラ SV TW

中級モデルですが性能と価格で業界勢力図を塗り替えた大人気リールです。巻心地もスムーズで軽いルアーもスッ飛びます。軽いルアーを投げられるということはキャスト精度も向上します。安価なので気にせずガンガン使えて釣りに集中できます。これ以上ベイトリールに何を望むの?ってぐらい素晴らしいリールです。おすすめ。ここから上位モデルは趣味と所有欲の世界です。お好みでどうぞ。

飲み屋の無駄話で日本の凄さを語りたいときはボールペンの話をしてみてはいかがでしょうか?


【参考資料】

ベアリングの詳しい話
鼻の穴に入るぐらい小さなベアリングも日本製はスルンスルン回ります