岡山 BAR SEVENじゃがな

岡山でバーやってます

無知と貧乏人こそBARへ行け!

 タイトルが口悪いですがドラゴン桜のオマージュです(バカとブスこそ東大へ行け!)
先日、お客さんからマナーの勉強をしたいという話を伺いました。40歳過ぎていい大人だし、ちゃんとしたマナーを身に付けたいと。なるほど。

こんな記事もありました。
リンク先に飛ぶのが面倒な人のために要約すると、
中流以上の人でもテーブルマナーを知らない人が増えた
・マナーを知らないのも経験による社会格差のひとつ
いちおう個人的意見を付け加えると、今どきフランス人でもそうそうフルコースなんて食べないと思うけどね。確かに仕事をしていても、全体平均で言うと日本人のマナーは低下していると感じます。

経験値は子供のころに親にどんなところに連れて行ってもらったかが大きく影響します。子供って親の姿を結構よく見て考えてるもんです。格式のあるホテルやレストランに行った経験は子供なりに身に着きますし、大人になってからの行動にも影響します。

子供時代に経験を積んでないなら、大人になって自分で経験して身に付けていくしかありません。しかしながら上昇志向なんて言葉を聞かなくなって久しい日本。当店のお客さんを観察すると、失われた30年前と比べると高級なホテルやレストランへ遊びに行くのは、ごく一部の人に限られるようになってしまったようです。ファミレスや定食屋、居酒屋しか行かなくなればマナーは身に付きません。

というわけで今回はマナーを身に付ける話です。
そこでタイトルの言葉です。
無知と貧乏人こそBARに行け!
ただし、バーと言っても高級ホテルのバーに行ってください。街場のバーでも格式高い店もありますが、見つけるのが難しいしホテルのバーのほうがサービスが一貫しています。
そして、ここで言うマナーとはテーブルマナーではなく立ち居・振る舞いについてです。お箸やナイフ、フォークの使い方は習うより慣れろなので家で練習してください。

高級でレベルの高いサービスを受けてマナーを学ぶにはホテルバーが凄く安く済むので最適です。バーで飲んだら高いじゃんって?んなこたぁありません。

一般的に高級と言われるホテルは、宿泊すれば5~10万円ぐらい掛かります。

ビジターとしてレストランだけ行っても一人2~5万円ぐらい掛かります。

それがバーなら1~2杯飲んで会計すればせいぜい3000~5000円です。

その価格で高級ホテルの空間とサービスを体験できるんだからメチャ安です。バーで飲むだけなら庶民でもシェラトンだろうがヒルトンだろうがハイアットだろうがどこでも行けます。飲み物を飲むだけだからテーブルマナーらしいものもほぼ必要無いし、レベルの高いサービスを体験するには手頃な場所なのです。とはいえ、いきなり行くには気が引ける、という方もいるかと思うので、簡単にお作法とNGを書いておきます。

まずは家を出る前から準備です。
最近でこそ高級店のドレスコードも昔に比べてカジュアルダウンしてますが、やはり場にふさわしい格好で出掛けましょう。他のお客さんに配慮するのはエチケットです。自然豊かなリゾートホテルならかなり自由ですが、基本は襟付きシャツが望ましいし、ジーンズ、短パンは好ましくありません。靴は服との組み合わせでセンスが出るので一言で説明するのは難しい。革靴だったら何でもよいというわけでもないし、スニーカーやサンダルでも奇麗に合わせればアリっちゃアリです。

入店したら案内を待ちましょう。牛丼屋じゃないんだから勝手に座らない!
女性をエスコートしている場合は上座に案内しましょう。ここで言う上座とは眺めが良い店なら眺めがよく見える側の席。そうでなければ店内が広く見渡せる席。僕ぐらいマナーウルサ人間からすると、これが出来てない男はスマートではない。基本の基です。

ホテルバーには必ずメニューがあるので、街場のバーの「当店はメニューはご用意しておりません」という初心者殺しをくらうことはありません。ホテルバーは格式高くても初心者にも優しいのです。メニューを見ても何が何やら分からなかったら、とりあえず適当にオーダーしてください。美味い不味いは二の次、三の次。まずは雰囲気やその場の空気を楽しんでください。お店で時間を楽しく過ごすためには何が大事か考えて、優先順位を間違えないように。たかだか酒の1杯も失敗したくないという器がショットグラスのように小さい人はビール飲んどけばよし。世界中ビールを置いていないバーなんてありませんし、その国で一番売れているビールで不味くて飲めないようなものはありません。

店員を呼ぶときは「スミマセ~ン!」って店中に響き渡るような大声で呼ばないこと。これは日本の文化ではあるけど、海外では最悪のマナーのひとつです。高級店に行き慣れている人は日本国内でも普通やらないです。アイコンタクトとジェスチャーで呼びましょう。

そういえば余談ですが、最近気になるのが「トイレ借ります」と一言言ってからトイレに行くお客さん。コンビニ感覚なんですかね?飲食店には当然トイレはありますし、お客さんが自由に使ってよい設備です。ていうか飲食の場でトイレって言葉は聞きたくないし、他のお客さんの迷惑じゃないかしら?(「お花摘みに行ってまいります」ならOKという話ではない)
コンビニなら丁寧ではあるんですが、飲食店では何も言わずに使っていただいて大丈夫です。

お帰りの際は会計はテーブルで行ってください。レジが無い店も多いし、たとえレジがあってもレジ前で会計することなんてありません。ファミレスじゃないんだから。テーブルチェックを当たり前にするかどうかで、その人の経験値が見えちゃいますよ。国内外、ジャンル問わず高級店ではテーブルチェックが基本です。

何も難しくないし、臆することはないでしょ?多少ボロが出てもホテルならお客さんが恥をかかないように最大限の配慮をしてくれます。裏を返せばスタッフ気がを利かせることが無いほどにスマートに振舞うことができるようになったらマナーも身に着いたということです。マナーとは格好の良い振る舞いと勘違いしている人が多いですが、本来は周りの人(サービスを提供する側も含めて)を不快にさせないのがマナーの基本です。

まあこういうのは失敗して恥をかきながら身に付けていくものです。どんどん恥をかいてください。出来れば若いうちが良いですね。いい歳して恥かくのは結構辛い。
仕事柄、僕の場合は20代の頃から接客の勉強のために身の丈より背伸びして国内外のホテルやレストランにあちこち行きました。インターコンチネンタル、ラッフルズ、シャングリラ、ハイアット、シェラトン、オークラ、その他ローカル5星などなど。ほとんどは20代のうちに行きました。訪れたホテルブランドを羅列すれば年収5000万円の社長さんみたいでしょ?たいていはバーで飲むだけですが。背伸びして訪れたぶん、あちこちで色々やらかしては、色々恥をかいてきました。

おかげで今やそれなりにスマートに立ち振る舞える大人になった自負があります。ただし海外旅行で面白そうなバーがあればあちこち行きますが、高級ホテルに泊まることは無くなりました。海外だとグローバルブランドの高級ホテルって奇麗でサービスも丁寧なんだけど「その国、その街らしさ」が薄いんです。庶民的なところのほうがその国らしさや驚きがあって楽しいんですよね。


お洒落して出掛けようにも、まだまだ残暑が真夏のように暑い今年の夏。長袖のポロシャツなら涼しいしどこに行っても恥ずかしくないし、お洒落で着心地良くて洗濯も楽で最強です。

引き締まった大人な印象を目指すなら黒、グレー、ネイビーなどダークトーンを選ぶと良いです。ラコステのリンクを貼っていますが、個人的おすすめはワークマンのスーパーアニエールボタンダウン 長袖ポロシャツ。なんてことない基本的なデザインの長袖ポロシャツですが、ポリエステルと綿の混紡生地で通気性が良くメチャクチャ涼しいし、速乾性が高くシワにならないし、ワークマンらしく抗菌・消臭機能があるので汗をかいても安心。普通だから何にでも合わせやすいし、Tシャツより取り扱いが楽チンで、今回の高温多湿なフィリピン旅行でも凄く重宝しました。ただし安くて出来が良いから人気があるようで、定番商品でありながら夏になるとどこの店舗にも在庫がほとんどありません。見つけたら即買いが吉です。

なぜ半袖より長袖が良いかはファッションじじいが詳しく説明してくれてます。さすが長く生きてるだけあって知識が凄いです。
半袖はよほどスタイルが良くて男前でないかぎり日曜パパ感が出ちゃいますが、長袖なら全然印象が変わります

動画見て思い出したんですが、常夏のフィジーに綿のタートルネック持って行った俺、我ながらカッコイイ。30年経った今はすっかり太って夏にタートルネックなんて暑くて着てられませんが。