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ラリック傘下に入り新境地を目指すグレンタレット

 グレンタレット 7年 ピートスモークド 2022リリースが入荷しました
The Glenturret 7y Peat Somoked 2022 Release

グレンタレット蒸留所は1775年創業、現存するスコットランドの蒸留所としては最古の蒸留所です。ウイスキーファンの間では猫のタウザーが有名でしょう。23年11か月の長い生涯に28,899匹のネズミを捕まえたということでギネスブックにも認定されています。

そんな長い歴史とマスコットキャラクターを持ちながら、肝心のウイスキーはあまりパッとしていませんでした。原酒のほとんどはフェイマスグラウスに使われ、シングルモルトとしての販売は極僅か。当店でも創業22年目にして初めての入荷かもしれません。「かもしれません」と言うのは、過去に仕入れたことがあっても覚えてないぐらい印象が薄かったといことです。

蒸留所は南ハイランドのパースの街から真西へ20㎞ほどの距離に位置します。2008年、2010年、2012年と3回スコットランドに行きましたがグレンタレット蒸留所には行ってません。当時、わざわざグレンタレット蒸留所まで訪れるウイスキーファンもほとんど居なかったんじゃないでしょうか。それぐらい印象の薄い蒸留所でした。

そんな事態が大きく変わったのが2019年。高級クリスタルメーカーのラリックが蒸留所を買収しました。同時にマッカラン蒸留所で30年間働いて黄金期を築いてきたボブ・ダルガー氏をブレンダーとしてヘッドハンティング。資本増強に名ブレンダーの起用と美味しくなる道しかありません。

今回、入荷したグレンタレット 7年はピート麦芽で仕込んだもの。ピートの鼻をすぼませるような刺激臭が心地よく、飲み口は7年という若さを感じさせないスムースさで甘く柔らかく、不思議とどことなく2000年前後の黄金期のウイスキーに似た好印象を受けました。
石柱のようなどっしりとしたボトルデザインも美しく、バーでもご自宅の棚にもよく映えると思います。

が、しかし!
ラリックの真骨頂はコレクターや博物館にも揃えられる芸術品のクリスタルガラスです。
当店もツバメの舞うイロンデルのロックグラスを持っています。非常に美しいです。
これ1脚でプレステ5買えます
高級車ロールスロイスのスピリット・オブ・エクスタシーにもラリック製のイルミネイテッドがオプションとして用意されています。現在、日本のディーラーでは「価格はお尋ねください」と明記されていますが、アメリカではどうやら10,000USD位っぽいです。約150万円ですね(1USD≒148円)。
俺の中古のBMW 118iより高い……。

もちろん新しいグレンタレットにもラリック製クリスタルデキャンターが用意されています。
一番若い33年熟成で約180万円(!!)。アメリカ人アーティストのジェームス・タレルとのコラボモデルは1500万円(!!!!!)です。限定品ですが、まだ買えるみたいなので、ご興味ある方はぜひ。

刷新したグレンタレット、個人的に注目です。