岡山 BAR SEVENじゃがな

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高いお酒ってどんな人が飲むの?

お客さんとカウンターで話していると、昨今のウイスキーブームによる価格の話題によくなります。


「330万円の山崎55年なんて誰が飲むのかね?」


当選者の中にはホントに飲んでみたくて抜栓する人も何人かはいたと思いますが、大半の人は価格が上がるまで開けずに大事に保管していると思います。僕だって当選していれば劣化しないようにパラフィルムとラップでグルグル巻きにして押入れの奥に仕舞っておきます。


ウイスキーに詳しい人なら周知のことですが、330万円は激安でした。現時点での取引価格はすでに1億円を超えるプライスタグを付けているサイトもあります。30倍になり9000万円以上利益が出るならさすがに飲まずに高値で売ります。投資としては最高です。あがった利益で山ほど欲しいウイスキーと株とケータハムのセブン170S買います。


つまり絵画などと同じ現物資産としての性質をウイスキーも兼ね備えたわけです。絵画なんて紙に絵の具で絵を描いたものが何十億円って冷静に考えるとおかしな話じゃないですか。芸術品という価値があり、欲しがる人がいっぱいいて数が限られているので10億円だろうが20億円だろうが資産価値が維持できる、もしくは上昇するから買われるのです。買っているのは純粋にこの絵が好きだからという人ばかりではありません。


鑑賞して楽しめて、絵画を買うぐらいの人ならセキュリティーも堅牢な家やオフィスを所有しているだろうから保管も楽ちん。場所も取らないし、自動車や時計などの機械類と違ってメンテナンスフリー。もしも世の中がインフレしたら現金預金は相対的に目減りしますが現物資産は同じだけ価値が上昇します。株と違って暴落することもないですし。現物資産として絵画は良い事づくめです。余っているお金を大切にしたいという方がいればバンクシー買うのが一番良いと思います。


絵画は歴史のある資産管理方法です。ウイスキーもついにその対象となったということです。絵画のように長期安定的な資産となれるかはまだまだ不透明ではありますが。



ではもしも今ほどウイスキーに人気が無く330万円の山崎55年が10年経っても500万円ぐらいにしかならない世界線だとしたら?実際つい10年前はそんな感じだったし、今でも100万円を超えるようなウイスキーでも人気のない蒸留所で、将来たいして価格の高騰が見込めないウイスキーも存在します。むしろ高騰するボトルのほうが珍しいんですから。


まあ、こんな30億円の家を買う人なら、

100万円だろうが300万円だろうが、仲の良い友達が来た時にでも普通に飲んじゃうでしょうね。330万円のウイスキーが500万円になれば60%アップですが、170万円の利益なんてこんな家に住む人にとってはどうでも良いことです。


まあしかし凄い家です。見てるだけでお腹いっぱいです。建物の半分はゲストルームかと思ったら、ちゃんと別棟のゲストルームがあるんですね。じゃあ母屋には何人で住むのだろう?寝室9室にバスルーム13室、ソファーとダイニングの椅子とガーデンチェアを合わせたら100脚ぐらいあるんじゃないのかしら?ただ焼杉板は日本じゃ外壁材だということを教えたい。まあ知ってて内装に使ってるのかも知れませんね。


Enes Yilmazer氏はロサンゼルス在住のYouTuberだそうで、セレブリティーに家やヨットなどを紹介するのが仕事みたい。物件にご興味があればFacebookからDMでも送ってみればよいかと思います。


「こんな高い酒、誰が飲むんかね?」

まあそんなに不思議がらなくても世の中には色々な事情があり色々な人がいるということです。庶民のワタクシにはコレぐらいしか想像できません。