岡山 BAR SEVENじゃがな

岡山でバーやってます

マッカランの人気が止まりません

 お客さんから聞いてビックリしました。知りませんでした。休業要請中、ウイスキーのウの字も忘れて過ごしている間にマッカランが高騰しています。


スコットランドの酒屋の価格を見ても高騰しているので、流通のどの段階で高くなっているのか?蒸留所の卸値から高くなっているのかもしれません。僕ではそこまでは調べようがないので真相は不明。18年に関しては日本ほど高騰していないよう。

当店でも12年は今の在庫が尽きたら価格改定をせざるをえません。18年は高すぎて売り切る自信がないので、次の仕入れはちょっと考えさせてください。しばらくはコスパの良いレアカスクを飲んでくださいね。


ここ10年はグレンフィディック、グレンリベット、マッカランが販売量トップ3を争っていましたが、ブランド力、価格、販売量など全てにおいてマッカランが一気に頭2つぐらい抜けた印象です。最新の統計はまだ見ていないですが、マッカランモルトウイスキー販売量でついに世界一になることはほぼ確定かと思われます。そりゃ当店でもマッカランは放っておいてもジャンジャン売れますから。免税店でウイスキー買ってきたと聞けばマッカラン、オークションで新記録を更新したというニュースを見ればマッカラン、もうマッカランの一人勝ちですね。


新しい蒸留所に美術館のようなビジターセンターを造ったおかげで、国内外からスペイサイド周辺に観光に来たときに、どこか1つぐらいウイスキーの蒸留所を見学しようかな?と考えたら、まず1番にマッカランを選ぶでしょう。せっかく来たからにはお土産でウイスキーやグッズも買って帰るはず。長閑なクレイゲラヒの町も賑わってるでしょうね。スペイサイドクーパレッジもハイランダーインも大盛況でしょう。周辺地域にも良い経済効果をもたらしていると想像できます。

建設に200億円の巨費を掛けて正解でした。他の蒸留所も生産設備やビジターセンターに投資をしていましたがマッカランほどの規模で行った蒸留所はありませんでした。


マッカランの戦略を見て思い出すのが鳥取県米子市に1993年に24億円の建設費をかけたお菓子の壽城。

その名のとおりお菓子売ってます

当時、「バブルも弾けたのに!社長、ご乱心ですか!?」と社内はさぞ大騒ぎだったことでしょうが、国道沿いに突如として現れた城は色々なメディアで取り上げられ、何も知らない通りすがりの旅行者は米子インターを降りると「なんじゃ?あれ?」と驚きほぼ100%立ち寄ります。バスツアーでは必ずコースに入ってます。いつ行ってもお客さんで賑わっています。社長の判断は大正解でした。翌1994年にはジャスダックに上場。いまや連結売上232億円(2021.3)の鳥取を代表する東証一部上場企業です。

これが「お菓子の城」なのか!(デイリーポータルZ)

米子にお越しの際はぜひお立ち寄りください。


いよいよ正の無限ループに入ったマッカラン。今後もますますブランド力を上げていくことでしょう。スコットランドの経済学者アダム・スミスが提唱した「神の見えざる手」によって、いずれ価格は適正に収束されていくでしょうが、それがどれぐらいで落ち着くのか興味深いところです。高くなると仕入れる側としては少々困ったものですが・・・。

エジンバラにあるアダム・スミス