岡山 BAR SEVENじゃがな

岡山でバーやってます

裏インバウンド やっぱり日本といえば

 先日の「バーもやっぱり日本は安い」という記事の最後に、「安全で清潔で飯も女も安いし最高じゃないか!」と書いて思いついたので、今回は今どきやや不適切な買春の話です。
最初に断っておくと、僕は見知らぬ女性の前で裸になる勇気が無いので性サービスは受けたことがありません。ただ、性というのは人間の根源的な部分なので性風俗の文化、歴史、人間模様には興味があり、人より多少詳しいかもしれません。

バブル時代に日本が豊かになり、ようやく一般の日本人が海外旅行に行けるようになって以来、アジア旅行と言えば女を買いに行く、というイメージがスケベ日本人の間に根深く定着しています。

かれこれ10年以上前の2000年代にお客さんに、
「来月、ベトナムに行くんですよ」
みたいな話をすると、高確率で小指を立てながら「コレ(女)買いに行くんか?」と聞かれました。ホント鬱陶しい。

ある時、あまりにもしつこいのでちょっとムカついて、
「アジア旅行って聞いて一番にそっちが思いつくということは、ご自分が行く時は目的はそっちってことですよね!」
って隣にいる奥さんの前で言い放ってやりました。もう誰だったかも覚えてないけど。

お客さんのアジア駐在経験談には必ずと言っていいほど女の話がセットになっているし、バンコクの空港のバゲッジクレームでは外国の文化や歴史にまったく興味の無さそうな日本人オジサンのグループをよく見かけます。頭の中は女とゴルフだけ、みたいな。

しかしですよ、よく考えてください、スケベオジサンたち。僕が知る限り、世界で一番手軽に性サービスが買えるのは間違いなく日本ですよ。アジアにホイホイと女を買いに行っていたのは安かったからという理由と、旅の恥は掻き捨てみたいな理由だけでしょ。

歴史的に食べるのに困らなかった豊かな国は性に対しておおらかになる傾向があるそうです。日本や東南アジアは豊かな土壌と気候で農作物が豊富に獲れます。そして米食文化です。麦よりも米のほうが同じ作付面積当たりから得られるカロリーが高いので多くの人間を賄うことができます。Wikipediaで調べでも歴史的な飢饉の発生の大半は麦食文化のヨーロッパか、戦争が原因で起きています。

日本人のスケベは今に始まったことではなく、昔から風待ち港と言われるところには置屋があったし(岡山でも港町に行くと当時の名残が伺えます)、遠方から初詣に訪れるような有名な神社や寺の周辺にも置屋があったそうです。初詣でまさに身も心も奇麗サッパリ、ということらしいです。

プロだけでなく一般庶民も日本はフリーセックス大国でした。江戸時代末期に西欧のキリスト教思想の貞操観念が持ち込まれても聞く耳を持たなかったそうです。貞操観念が根付いたのは戦後の話です。
戦前の性事情は津山事件(1938年)のことを調べると当時の様子が伺えます。

法律でルールが決められている現在では、アジアでおおぴらに性サービスが存在するのはバンコクやマニラのような大都市のみです。田舎に行くとかなりアンダーグラウンドになりますし、ベトナムや中国、台湾など社会主義国では公安に見つかるとかなりヤヤコシイことになります。
ヨーロッパではイギリスやフランスで普通に歩いていてもそんな店は見当たらないです。探せば売春はあるそうですが、やはりかなりアンダーグラウンドですし、そういうサービスを買うのも相当アレな人です。ちなみにヨーロッパで合法な国はドイツ、オランダ、デンマーク、ベルギー、スイス、オーストリアなどだそうです。

かたや日本といえば、全国津々浦々、ある程度の規模の街の駅を降りれば、店舗型、デリバリー型、ありとあらゆる性サービスが必ずあります。まあまあ小さな街でも性サービスがあるのは日本ぐらいでしょう。売春は違法としながらも裏では交渉次第で本番行為あったり、そもそも違法のはずなのにソープランドやチョンの間は黙認され堂々と営業しています。

援助交際パパ活などの言葉でオブラートに包まれ個人買収も盛んです。最近よく取りざたされる大久保公園など、等間隔で売春婦が並んでいて、しかもお洒落という日本ならではの規律の正しさにはもう苦笑いしか出ません。
もちろん、わざわざ公道に立ってお客さんを待っているのは氷山の一角で、オンライン上では様々なやり取りが行われているはずです。

こんなに性サービスが充実している国は他にありません。間違いなく日本が世界一です。

そしてインバウンドが増大する昨今、あまり表では語られませんが、買春目的で訪日している外国人もかなりいるそうです。スケベ外国人が日本に来たら、どこでも女が買えるし、安いし、そりゃ買春天国なはずです。もはや立場は入れ替わって日本人女性が買われる時代です。飛田新地には世界中からスケベ外国人が押し寄せているのだとか。
買春目的でなくても、風変りな日本文化を観光している人までいるそうです。僕がオランダで飾り窓を見に行ったり、嫁さんとバンコクのソイカウボーイやナナプラザに物見遊山に行ったのと同じです。

安全で、清潔で、物価が安くて、飯が美味くて、医療も充実していて、女が手軽に買える。それに駅前で気軽にギャンブル(パチンコ)も出来るしね。その他、公営ギャンブルも色々あってギャンブラーにも日本は天国です。

言葉の壁さえクリアできれば外国人が日本に移住するのは最高の選択肢です。ただし「働かなくていいだけの金があれば」。日本で働くのは世界的に見ても過酷ですからね。


海外アングラ界隈では有名人のクーロン黒沢氏が編集長を務めるWebマガジン「シックスサマナ」を読むと、80年代90年代に世界を股にかけて買春に明け暮れていた日本人の様子がよく分かります。農協ツアーとか現地では有名だったそうです。

安いのにボリュームと信じられないような濃い話で読み応えがあるので読後はなかなかの疲労感です。ご興味あればぜひ。